100年の時を超えて、あなたの手に受け継がれる物語
北海道のお土産として多くの方が目にしたことがあるであろう「木彫り熊」。そのルーツが、ここ道南の八雲町にあることをご存知でしょうか。
大正13年、尾張徳川家第19代当主・徳川義親公が、農閑期の副業としてスイスの木彫り細工を奨励したことから始まった八雲の熊彫り。それは単なる工芸品の誕生ではなく、厳しい冬を生きる人々の暮らしに「芸術」という彩りを添えた、希望の灯火でもありました。

かつて農家の人々が囲炉裏を囲んで彫り進めたその時間は、今もこの町に息づいています。今回は、100年の歴史が紡いできた八雲の精神に触れる「木彫り熊製作体験」をご紹介します。
五感で刻む、3時間半の贅沢な静寂
体験の舞台は、木の温もりで溢れる「熊友工房」。現役の作家である小熊さんのレクチャーのもと、手のひらサイズの熊を彫り進めていきます。
【触覚・嗅覚】木の温もりと、心安らぐ香り
用意された木材を手に取ると、意外と軽く、そして吸い付くような柔らかさを感じます。彫刻刀を当てるたびに、ふわりと広がる瑞々しい木の香。それは、北海道の森の記憶に触れるような、心安らぐ瞬間です。

【聴覚】静寂の中に響く、リズム良い切削音
「サクッ、サクッ」と、木が削れる乾いた音だけが工房に響きます。最初は緊張していた手元も、小熊さんの丁寧な指導に従って彫り進めるうちに、いつしか無心に。日常の喧騒を忘れ、一点に集中する贅沢な時間が流れます。

【視覚】命が吹き込まれる瞬間
平面だった角材が、自分の手によって徐々に丸みを帯び、熊の背中の曲線、そして愛らしい耳や足が現れます。一彫りごとに表情が変わり、世界にたった一つ、あなただけの熊に命が宿っていく喜びは、何物にも代えがたい感動です。

所要時間は約3時間半。そう聞くと長く感じる人もいるかもしれませんが、夢中に彫っているとあっという間に時間は経っています。
じっくりと木と対話し、自分の感覚を研ぎ澄ませるこの時間は、旅の思い出を深く、温かく刻んでくれるはずです。
プログラム詳細
八雲の歴史を肌で感じ、自らの手で形にする。そんな「特別な日常」を体験してみませんか?
■ プログラム名
木彫り熊製作体験
■ 体験受入先
熊友工房(ゆうゆうこうぼう)
- 住所: 〒049-3106 北海道二海郡八雲町富士見町56
- 講師:木彫り熊作家・小熊さん
■ 金額
1名様:3,500円
※金額は変更となる場合がありますので、予めご了承ください。
■ 予約方法
事前予約制となっております。以下のいずれかの方法でお申し込みください。
- お電話:090-8904-6433
- SNS:Instagram(DMにて受付)
編集後記
彫り終わった後の指先には、少しの疲れと、それ以上の愛着が残ります。自分で彫り上げた熊は、きっとこれからの人生を一緒に歩む、大切なお守りのような存在になるでしょう。