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【開催レポート】「ただいま」と言える場所、見つけませんか?――八雲・せたなで過ごした、命と手仕事に触れる4日間。

ふと、満員電車の窓に映る自分の顔が、どこか遠くを感じている。

そんな瞬間に心に浮かぶのは、アスファルトの匂いではなく、雨上がりの土の香りや、誰かが丹精込めて育てた野菜の甘みだったりしませんか。

今回の舞台は、北海道の南部に位置する八雲町(八雲地域、熊石地域)とせたな町

2025年9月30日から4日間、都市部で暮らす若者たちが「これからの生き方」や「地域との関わり方」を模索するために集まった、TRAPOL・TABIPPO×道南モニターツアーの様子をお届けします。

このツアーは観光地をなぞるだけの企画ではありません。

誰かの日常に少しだけお邪魔して、共に汗を流し、同じ食卓を囲む。

そんな「関係」が始まる瞬間に、あなたをご案内します。


このプログラムに込めた想い

なぜ今、私たちは北海道の小さな町を目指すのでしょうか。

それは、モノが溢れる都会では見えにくくなってしまった**「生きていくための手応え」**が、ここには色濃く残っているからです。

土に触れ、命をいただき、伝統を次世代へ繋ぐ。

八雲・せたなの人々が大切にしている「当たり前の暮らし」に触れることで、参加者の皆さんに「都会で生きることだけが正解ではない」という新しい選択肢を感じてほしい。そんな願いから、このツアーは企画されました。


五感を揺さぶる、6つの核心体験

1. 土の温もりと、農家・冨田さんの真っ直ぐな瞳

八雲町に到着して最初に向かったのは、冨田農園

一面に広がるかぼちゃ畑で、収穫と出荷作業を手伝いました。

軍手越しに伝わるかぼちゃのずっしりとした重み、かぼちゃをもいだときの「パチン」という小気味よい音。

「不便なこともあるけれど、それ以上に家族とここで暮らす喜びを感じながら生きている」と笑う冨田さんの言葉には、大地と共に生きる人の誇りが宿っていました。

2. シェフ高橋さんが描く、せたなの「風景」をいただく

せたな町のレストラン「サッカムセタナイ」では、加工場を見学させていただいたあと、高橋シェフによる特製コースを堪能。

地元の食材を、その土地の物語とともに皿の上に表現する高橋さん。

口の中で弾ける素材の生命力、そしてあたりに漂う芳醇な香りは、食べるという行為が「命を繋ぐこと」だと改めて教えてくれました。

3. 熊石の夜、ハンターたちの祝祭に混ぜてもらって

八雲町熊石地域では、狩猟の解禁を祝う「狩猟祭」に参加。

猟友会のご婦人たちが腕を振るった、熊肉や鹿肉の滋味深い料理が並びます。

厳しい自然と向き合うハンターや地元住民の方々と、お酒を酌み交わしながら語らう夜。

「外から来た若者」ではなく、「一人の仲間」として迎え入れてくれる温かさが、秋風で少し冷えた身体に染み渡りました。

4. 二海(ふたみ)の海が育む、生命の神秘に触れる

日本で唯一、二つの海(太平洋と日本海)に面する八雲町。

二海サーモンの孵化場あわびの育成施設では、普段私たちが何気なく口にしている魚介たちが、どれほどの歳月と人の手によって守られているかを知りました。生簀(いけす)を跳ねる水の音と、磯の香りが、地域の産業の力強さを物語ります。

5. 継承される手仕事と、命の現場(選択プログラム①)

3日目の午後は2班に分かれ、より深い地域の営みに触れました。

  • A班(伝統を彫る): 「熊友工房」の小熊さん指導のもと、八雲の文化である木彫り熊の製作に挑戦。木の香りに包まれ、無心でノミを動かす時間は、自分自身と向き合う静かなひととき。
  • B班(命を育む): 和牛農家の北村さんのもとで、牛のお世話体験。大きな瞳で見つめてくる牛たちの吐息、堆肥の匂い。生き物を育てる責任の重さと愛おしさを肌で感じました。

6. 落部の恵みを、自らの手で味わい尽くす(選択プログラム②)

最終日の朝も、八雲町落部(おとしべ)を舞台にそれぞれの体験へ。

  • A班(農の絆): 農家・千葉さんのもとでお餅つき。つきたてのお餅の柔らかさと、豪快な鹿肉BBQ。千葉さんとの会話から、田舎暮らしのリアルな豊かさを学びました。
  • B班(海の恵み): 漁師・舘岡さんと市場へ。競り落としたばかりの魚介をその場で捌く。包丁を入れた時の身の締まり、口の中に広がる潮の甘みは、漁師町ならではの特権です。

4日間のタイムスケジュール

月日時間内容
9/3013:30八雲町到着・オリエンテーション
15:00冨田農園にてかぼちゃ収穫・出荷作業体験
18:00廃校活用施設「ぺコレラ学舎」チェックイン
19:00地元食材たっぷりのBBQ交流会
10/109:00せたな町観光(立象山公園パノラマライン等)
11:30サッカムセタナイ・高橋シェフの特製ランチ
14:00交流センターくまいしにて地域の子供たちと交流
18:00狩猟祭参加。ハンター自慢のジビエ料理を堪能
10/209:30二海サーモン孵化場・あわび公社見学(地域の産業を知る)
12:00寿司「かきた」で地魚に舌鼓
15:00選べる体験(A:熊友工房で木彫り熊作り / B:北村牧場で酪農体験)
21:00街へ繰り出し「スナックナイト」で地域をより深く知る
10/309:00選べる体験(A:農家・千葉さんと餅つき / B:漁師・舘岡さんと市場見学)
13:004日間の振り返り
14:00解散。それぞれの日常へ

結びに代えて:あなたの「第二の故郷」への扉

最終日の振り返り会。参加者の皆さんの表情は、初日の少し緊張したような雰囲気が嘘のように柔らかくなっていました。

「地方との関わり方を考える機会になった」

「また、あの人に会いに来たい」

そんな声が聞こえてきたことが、何よりの収穫です。

移住や二拠点居住は、大きな決断かもしれません。でも、まずは「顔の浮かぶ誰かがいる場所」を作ることから始めてみませんか?

八雲、せたな、熊石。

この町の人たちは、あなたが「ただいま」と帰ってくる日を、いつでも待っています。


Feb 02, 2026 Updated